みなさん、こんにちは。
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商学部の学生のための就職準備「日本語」実践講座での話
本日、商学部一年生の「文章クラス」に、四年生のハルくんが手伝いに来てくれました。
ゼミでの勉強について、話をしてくれました。

一年生のみなさんは、「経営を学ぶ」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
会社をどうやって大きくするのか。どうすれば商品がたくさん売れるのか。利益をどうやって増やすのか。
もちろん、こうしたことも経営学の大切なテーマです。でも、ゼミで経営について学んでいると、「経営って、それだけではないんだな」と気づかされます。
たとえば、こんなことを考えてみてください。
ある会社に、すばらしい商品をつくる技術があります。ところが、その商品を誰に、どのように届ければいいのかが分からない。反対に、販売は得意だけれど、商品をつくる技術がない会社もあります。
では、どうすればいいでしょう。
「技術のある会社と販売の得意な会社が一緒になればいい」と考えることもできます。でも、会社が一緒になると、今度は社員同士の考え方の違いが問題になるかもしれません。
つまり、「会社をどう動かすか」という問題を考えていると、最後には「人はどうすれば協力できるのか」という問題に行き着くのです。
ここが経営学のおもしろいところです。
経営学は、単に「儲ける方法」を覚える学問ではありません。
「人はなぜ協力するのか」
「組織はなぜうまくいったり、いかなかったりするのか」
「新しいアイデアは、どうすれば生まれるのか」
「会社は社会の中で、どんな役割を果たすのか」
「経営学」は、そんな答えが一つではない問題について考える学問なのです。
僕たちのゼミでは、こうした問題を、いろいろな方向から考えます。
あるときは、経営理論を読んで、「この理論は本当に正しいのだろうか」と考えます。
またあるときは、コンピューターを使ったシミュレーションで、会社や人の動きをモデルにしてみます。
さらに、実際の企業と一緒に、新しい事業を考えることもあります。
たとえば、「こんな商品をつくったら売れるのではないか」とゼミ生がみんなに言いました。
でも、これで終わりではありません。
「本当にお客さんは欲しいと思うのか」
「いくらなら買ってくれるのか」
「どうやって商品を届けるのか」
「社員はどんな仕事をするのか」
「この事業を続けることで、会社や社会にどんな変化が起きるのか」
一つのアイデアから、次々と新しい「問い」が生まれます。

そして、ここからが大切なのですが、
データを集めたり、シミュレーションをしたり、実際に企業を訪ねて、商品の開発担当者と話しながら、「最初に考えたことは、本当に正しかったのか」と確かめていきます。
これは、ちょっとした実験のようなものです。毎週、こんなことをやっています。
まずは、「こうなるはずだ」と予想する。
↓
実際に調べてみる。
↓
予想と違っていた。
↓
「なぜ違ったんだろう?」と考える。
↓
もう一度、仮説をつくる。
この繰り返しが、研究の土台を作るおもしろさです。
ですから、僕たちのゼミでは、「先生から正解を教えてもらう」というよりも、自分たちで問いをつくり、考え、試してみることを大切にしています。
経営学は、とても不思議な学問です。
数字を使って会社を分析することもあれば、「そもそも人間にとって良い経営とは何だろう」と哲学のようなことを考えることもあります。
理論を勉強したかと思えば、今度は実際の企業を訪ねて、その企業が抱えている課題に一緒に取り組む。
コンピューターの画面を見ていたかと思えば、企業の方と議論する。
一見すると、まったく違うことをしているように見えます。
でも、実は全部つながっています。
僕らはこれを「振り子」にたとえています。
「理論」と「実践」。
「数字」と「人」。
「大きな社会の仕組み」と「一人ひとりの考え」。
「客観的なデータ」と「自分自身の疑問」。
振り子が左右に揺れるように、いろいろな視点を行ったり来たりする。
そうすることで、最初は見えなかったものが見えてくるのです。
また、商学部一年生のみなさんには、ぜひ「自分の大学生活そのものを経営してみる」という考えを持ってほしいと思います。
たとえば、「公認会計士の資格を取る」という目標を立てたとします。
では大学で、どの授業を選ぶのか。
どれくらい勉強時間を確保するのか。
サークルやアルバイトとどう両立するのか。
思ったように勉強できなかったとき、どう計画を変えるのか。
これも一種の「経営」だと思います。
限られた時間やお金、人とのつながりをどう生かして、自分が目指すものを実現していくのか。
そう考えると、経営学は会社の社長だけに必要な学問ではありません。
将来、会社を経営する人にも、会社で働く人にも、地域で活動する人にも、そして自分自身の人生を考える人にも関係する学問なのです。
一年生のみなさん、
「経営学は難しそうだな」と思わなくても大丈夫です。
むしろ、「なぜ会社はこうなっているんだろう」「どうして人は協力できるんだろう」「この店は、なぜ人気があるんだろう」と疑問を持つことから、経営学は始まります。
街を歩いていて、人気の店に行列ができていたら、「なぜ、この店には人が集まるんだろう」と考えてみる。
反対に、すばらしい商品なのに売れていないものを見つけたら、「なぜ売れないんだろう」と考えてみる。
そんな身近な疑問が、実は立派な研究テーマになるのです。
答えを覚えるだけではなく、自分で問いをつくる。
理論を学ぶだけではなく、実際に試してみる。
そして、うまくいかなかったら「なぜだろう」と、みんなで話し合い、もう一度考える。
その繰り返しの中に、経営学のおもしろさがあります。
大学の四年間を、ただ授業を受ける時間にするのか。
それとも、自分で「問い」を見つけ、考え、試し、また考える時間にするのか。
その違いは、きっと就職活動をするときに、大きく出ます。
さあ、みなさんも「経営」という振り子を、大きく動かしてみませんか。
10月生 早稲田大学の学生のためのジャーナリスト養成講座(オンライン)

●故西村欣也氏 ●元朝日新聞編集委員 ●五輪取材経験7回・プロ野球取材30年
●朝日新聞スポーツ面に、署名入り記事「EYE西村欣也」を20年執筆してきた。
●著書 朝日新聞が伝えたプロ野球(小学館) 神の領域を覗いたアスリート(朝日新書)
●イチロー、王貞治、長嶋茂雄、清水宏保、橋本聖子、ダン・ジャンセン、ボブ・ヘイズなど
有名選手を取材してきました。
「受験対話」総合研究所では、26年前から、西村欣也氏の文章を使って、「大学生のことば」を
育ててきました。大学に入学する前から、「自分のことば」を育てる努力を始めると、就職活動時
に、あなたの「自己PR」を読んだ採用担当者から、「キミに会って、話をしてみたい」と連絡がきます。
マスコミをはじめ一流企業の担当者から、「会って、話をしたい」と言ってもらえるように、西村氏の
文章を使い、君に合わせたカリキュラムで授業を行います。早稲田大学の学生諸君、楽しみにしていて下さい。
【故西村欣也氏からあなたへのメッセージ】
確かに、今はネット時代と言われています。
トランプ大統領のツイートに、世界が右往左往しています。
しかし、ニューヨークタイムズなどは言論で、論陣を張り、世論の支持を得ています。
新聞だけではありません。CNNなども、トランプに「フェークニュース」と呼ばれても、事実を伝えています。
まだマスコミには底力があるのです。
僕は、主にスポーツを取材してきましたが、ニューヨークタイムズの新人記者はまずスポーツ部門に配属されます。
そこに人生が凝縮されているからです。
僕は、朝日新聞で長年、小論文の採点面接をしてきました。(やらされてきました)
マスコミ受験には、特に「書く力」が問われます。
門は狭いですが、今までの経験を生かして、スタートラインにつきたいと思う学生のアシストができれば、と思います。
(故西村欣也氏・記)
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