わせまちマルシェ「後輩たちに届けたい言葉」(379)

みなさん、こんにちは。

早稲田大学の学生のための就職準備「日本語」実践講座

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でおなじみの「受験対話」総合研究所です。

目次

薬学部の学生のための就職準備「日本語」実践講座での話

本日、薬学部一年生の「文章クラス」に、6年生のサトミさんが手伝いに来てくれました。

授業後、研究室での活動を紹介してくれました。

テーマは「研究室は、未知の世界を探検する場所」です。

教授が差し入れてくれるアイスを取り合うのが、研究室での私の楽しみのひとつです。

「根性」「洞察力」「ロマン」で病気に挑む!

皆さん、こんにちは。

今日は、私が所属している薬学部の薬理学講座について紹介したいと思います。

皆さんは、薬学部での研究というと、どんなことをイメージしますか?

薬の成分を調べたり、新しい薬を開発したり、実験室で試験管を使って実験したり……。そんな姿を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。

もちろん、それも薬学の大切な研究です。でも、私たちの研究室では、もう少し大きなテーマに挑戦しています。

それは、「病気は、なぜ起こるのか?」という謎を解き明かすことです。

例えば、風邪をひいたとき、熱が出たり、せきが出たりしますよね。では、そもそも、なぜ熱が出るのでしょうか。体の中では、どんな変化が起きているのでしょうか。

病気の症状を知るだけでなく、その原因や仕組みを、細胞やタンパク質のレベルまで調べていく。そうすることで、今までとは違う治療法が見つかるかもしれないのです。

つまり、私たちは病気の謎を解く探検家なのです。

1.私たちが挑んでいるのは、神経難病ALSの謎

私たちの研究室では、神経に関係する病気について研究しています。その中でも、大きなテーマの一つがALS(筋萎縮性側索硬化症)です。

皆さんは、「アイス・バケツ・チャレンジ」という言葉を聞いたことがありますか?

以前、世界中で話題になった活動です。ALSという病気を多くの人に知ってもらい、研究への支援を広げるために行われました。

では、ALSとはどんな病気なのでしょうか。

簡単にいうと、体を動かすための運動神経に少しずつ障害があらわれる病気です。

私たちが手を動かしたり、歩いたり、話したりできるのは、脳からの指令が神経を通じて筋肉に伝わっているからです。

例えば、皆さんが「右手を上げよう」と思ったとします。すると、脳から運動神経を通じて筋肉に指令が届きます。その結果、右手が上がるわけです。

ところが、ALSでは、この指令を伝える運動神経が徐々に鈍くなってきます。

ここで、とても不思議なことがあります。

ALSでは、運動する能力が失われていく一方で、認知機能や感覚などは比較的保たれる場合があります。つまり、頭では考えられるし、周囲の人の声も聞こえる。それなのに、体を思うように動かせなくなってしまうのです。

目の動きが比較的保たれることも知られています。そのため、目の動きで文字盤を操作して、自分の意思を伝える方法もあります。

このような病気のことを知ると、私たちが普段、何気なく手を動かしたり、友達と話したりしていることが、実はとても精巧な神経の働きによって支えられているのだとわかります。

では、なぜ運動神経に障害が起きるのでしょうか。

ここからが、私たちの研究です。

2.同じ運動神経なのに、なぜ病気の進み方が違うの?

私たちの研究室が注目しているのは、実は運動神経にも種類があるということです。

例えば、皆さんが短距離走をするときに使う筋肉と、長い距離をゆっくり走るときに使う筋肉では、働き方が違いますよね。

筋肉には、速く力強く動くことが得意なものと、長時間にわたって働き続けることが得意なものがあります。

それぞれに関係する運動神経にも違いがあります。

そして、ALSでは、速筋を動かす運動神経のほうが、遅筋を動かす運動神経よりも早く障害が起きる傾向があることが知られています。

ここで、ちょっと考えてみてください。

同じ運動神経なのに、なぜ障害が起きやすいものと、比較的障害が起きにくいものがあるのでしょうか。

「何か違いがあるはずだ」

そう考えるところから研究が始まります。

例えば、二つの運動神経を比べてみる。細胞の中で働いているタンパク質を調べてみる。病気が進行する過程で、どのような変化が起きているのかを調べる。

そうやって、一つひとつ手がかりを集めていきます。

私たちの研究室では、この違いが生まれる仕組みを明らかにしようとしています。

実際に、研究を通して、ALSにおける運動神経の変性に関係するタンパク質を特定し、新しい仮説を発表することもできました。

これって、すごいことだと思いませんか?

今まで誰も十分に説明できなかった病気の謎について、自分たちの研究から新しい発見が生まれたのです。

もちろん、一つの発見ですぐに新しい薬ができるわけではありません。でも、病気の仕組みがわかれば、次にどこを調べればよいのか、どんな治療法が考えられるのかが見えてきます。

つまり、病気の原因を突き止める研究は、将来の治療法につながる大切な第一歩なのです。

私は、ここに、研究の面白さに魅力を感じています。

東京大学の学生のための就職準備「日本語」実践講座
東京大学の学生のための就職準備「日本語」実践講座

3.研究に必要なのは「根性」「洞察力」「理想」

さて、私たちの研究室には、教授が大切にしている三つの言葉があります。

それは、「根性」「洞察力」「理想」です。

最初に聞いたとき、私は少し驚きました。

薬学部の研究というと、知識や実験技術が大切だと思っていました。でも、教授は、それだけでは十分ではないと考えているのです。

まず、一つ目は「根性」です。

研究をしていると、思いどおりの結果が出ないことがよくあります。

例えば、あるタンパク質が病気に関係しているのではないかと考えて実験をしたとします。ところが、何度実験しても、予想した結果が出ない。

そんなとき、皆さんならどうしますか?

「もう無理だ」とあきらめてしまうでしょうか。それとも、「何か見落としていることがあるのではないか」と考えて、もう一度挑戦するでしょうか。

研究では、失敗することも大切な経験です。

なぜ失敗したのかを考え、方法を変え、もう一度試してみる。そうした積み重ねが、新しい発見につながります。

二つ目は「洞察力」です。

これは、目の前にある結果をそのまま受け取るのではなく、その奥に隠れている本質を見抜く力です。

例えば、同じ実験をしているのに、一つのグループだけ違う結果が出たとします。

普通なら、「あれ、おかしいな」で終わってしまうかもしれません。

でも、研究者は違います。

「なぜ、このグループだけ結果が違うのだろう?」
「もしかすると、そこに病気の仕組みを解き明かすヒントがあるのではないか?」

と考えます。

一見すると小さな違いでも、そこに大きな発見の手がかりが隠れているかもしれないのです。

そして、三つ目が「理想」です。

私は、この言葉がとても好きです。

理想というと、少し不思議な感じがしますよね。研究と理想がどう結びつくのだろうと思う人もいるかもしれません。

でも、考えてみてください。

まだ誰も解き明かしていない病気の謎がある。そこに自分たちが挑戦する。そして、いつかその発見が患者さんの治療に役立つかもしれない。

そう考えると、ワクワクしませんか?

「いつか自分たちの研究で、病気に苦しむ人を助けたい」

そんな思いがあるからこそ、難しい実験にも挑戦できるのだと思います。

根性で挑戦を続け、洞察力で新しい発見を見つけ、理想を胸に研究を進めていく。

この三つが、私たちの研究室の大切な精神なのです。

4.「あなたはどうしたい?」と聞かれる研究室

もう一つ、私たちの研究室には、とても特徴的なところがあります。

それは、教授が学生に、よくこんな質問をすることです。

「あなたはどうしたい?」

初めて聞くと、少し戸惑うかもしれません。

普通、大学の授業では、先生が学生に知識を教えてくれますよね。学生はそれを覚えて、試験で答える。そういう勉強に慣れている人も多いと思います。

でも、研究は少し違います。

先生から「次はこれをやりなさい」と言われたことだけを進めていては、本当の意味で研究しているとはいえません。

自分で考え、自分で疑問を見つけ、自分で次の一歩を決めていくことが大切なのです。

例えば、実験で予想とは違う結果が出たとします。

そんなとき、先生に相談すると、

「それで、あなたはどうしたい?」

と聞かれるのです。

すると、自分の頭で考えなければなりません。

「もう一度同じ実験をしてみたい」
「別の条件で比較してみたい」
「この結果について、もう少し論文を調べてみたい」

いろいろな考えが浮かんできます。

もちろん、最初から正しい答えが出せるわけではありません。でも、自分の考えを教授に伝え、アドバイスをもらいながら、一歩ずつ前に進んでいきます。

私たちの研究室では、教授室との境もなく、教授に気軽に相談することができます。

学部生だけでなく、大学院の博士課程の学生も一緒に研究しています。学年や立場に関係なく、教えたり、教えてもらったりしながら、みんなで研究を進めているのです。

私は、この環境がとても好きです。

研究というと、一人で黙々と実験をしているイメージがあるかもしれません。でも、実際には、人との会話の中から新しいアイデアが生まれることがたくさんあります。

自分では気づかなかったことを、友達が指摘してくれる。自分の疑問について、先輩が違う視点からアドバイスしてくれる。

そうしたやり取りが、自分自身の成長につながっています。

5.研究室には、楽しい日常もあります!

ここまでお話しすると、私たちの研究室は、毎日難しい実験や勉強ばかりしている、少し堅苦しい場所だと思われるかもしれませんね。

でも、そんなことはありません。

学生同士の仲が良く、普段はとても和気あいあいとしています。

例えば、夏になると、研究室では教授が差し入れてくれたアイスの取り合いが始まることがあります。

難しい実験の話を真剣にしていたかと思えば、今度はみんなでたこ焼きを焼いて盛り上がる。そんな日常があります。

研究室というと、先生と学生がずっと難しい顔をしているような印象があるかもしれませんが、実際には、笑い声もたくさんあります。

こうした何気ない時間も、私は大切だと思っています。

先生や先輩、同級生との距離が近いからこそ、困ったときに相談できるし、新しいことにも思い切って挑戦できます。

研究は決して一人で完成させるものではありません。仲間と一緒に考え、悩み、発見を喜び合う。その過程も、研究室生活の大きな魅力です。

日曜日は、研究室の仲間と神宮をおしゃべりしながら散歩します!
日曜日は、研究室の仲間と神宮でおしゃべりしながら散歩を楽しみます!

6.薬学の研究は、まだ見ぬ未来をつくる冒険

最後に、一年生の皆さんに伝えたいことがあります。

皆さんは、これから薬学部でさまざまなことを学んでいくと思います。

最初は、覚えることも多いでしょう。化学や生物学、物理学など、難しいと感じる授業もあるかもしれません。

でも、大学で学ぶ知識は、いつか誰かを助ける力になるかもしれないのです。

例えば、今まで原因がわからなかった病気の仕組みが、自分の研究によって少しずつ明らかになる。あるいは、自分が発見したことが、将来の新しい治療法につながる。

そう考えると、薬学の勉強は、単に国家試験に合格するためだけのものではないと思いませんか?

研究室は、すでに答えがわかっている問題を解くだけの場所ではありません。

まだ答えが見つかっていない問題に、自分の頭と手を使って挑戦する場所です。

もちろん、簡単なことばかりではありません。失敗することもありますし、思うように進まないこともあります。

それでも、仲間と一緒に考え、先生に相談し、自分なりの答えを探していく。その先に、誰も知らなかった新しい発見が待っているのです。

教授は、「人生は冒険だ」と言います。

私は、研究室での生活を通して、その意味が少しずつわかってきたような気がします。

大切なのは、最初から何でもできることではありません。

「なぜだろう?」と疑問を持つこと。
「もっと知りたい!」と興味を持つこと。
そして、失敗してもあきらめずに挑戦することです。

一年生の皆さんも、ぜひ、自分が心から面白いと思えるテーマを見つけてください。

そして、いつか私たちと一緒に、まだ誰も知らない病気の謎に挑戦してみませんか?

「根性」「洞察力」「理想」。

この三つを胸に、仲間と一緒に未知の世界へ漕ぎ出していきましょう!

皆さんと研究室でお会いできる日を楽しみにしています。

12月生 東京大学の学生のためのジャーナリスト養成講座(オンライン)

元朝日新聞編集委員故西村欣也氏
元朝日新聞編集委員故西村欣也氏

●故西村欣也氏  ●元朝日新聞編集委員  ●五輪取材経験7回・プロ野球取材30年

●朝日新聞スポーツ面に、署名入り記事「EYE西村欣也」を20年執筆してきた。

●著書 朝日新聞が伝えたプロ野球(小学館)  神の領域を覗いたアスリート(朝日新書)

●イチロー、王貞治、長嶋茂雄、清水宏保、橋本聖子、ダン・ジャンセン、ボブ・ヘイズなど

有名選手を取材してきました。

「受験対話」総合研究所では、27年前から、西村欣也氏の文章を使って、「大学生のことば」を

育ててきました。大学に入学する前から、「自分のことば」を育てる努力を始めると、就職活動時

に、あなたの「自己PR」を読んだ採用担当者から、「キミに会って、話をしてみたい」と連絡がきます。

マスコミをはじめ一流企業の担当者から、「会って、話をしたい」と言ってもらえるように、西村氏の

文章を使い、君に合わせたカリキュラムで授業を行います。東京大学の学生諸君、楽しみにしていて下さい。

【故西村欣也氏からあなたへのメッセージ】

確かに、今はネット時代と言われています。

トランプ大統領のツイートに、世界が右往左往しています。

しかし、ニューヨークタイムズなどは言論で、論陣を張り、世論の支持を得ています。

新聞だけではありません。CNNなども、トランプに「フェークニュース」と呼ばれても、事実を伝えています。

まだマスコミには底力があるのです。

僕は、主にスポーツを取材してきましたが、ニューヨークタイムズの新人記者はまずスポーツ部門に配属されます。

そこに人生が凝縮されているからです。

僕は、朝日新聞で長年、小論文の採点面接をしてきました。(やらされてきました)

マスコミ受験には、特に「書く力」が問われます。

門は狭いですが、今までの経験を生かして、スタートラインにつきたいと思う学生のアシストができれば、と思います。

(故西村欣也氏・記)

■12月生 

■個別指導(オンライン)  1回 80分

■費用    スタート講座 入会金:15000円   月謝22000円(消費税込・教材費含)

■まずは、お問い合わせください。

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